ポールへニングセンのPHルーブル

デンマークのデザイナーであるポールへニングセンが手掛けた「PHルーブル」は、1957年にデンマークのスコスボーの教会のためにデザインされた照明です。

高天井用の照明として設計されたPHルーブルは、13枚のシェードに白色塗装を施し、眩しさを感じない照明効率が良い照明器具に仕上げました。

光が各シェードに同じ角度で当たるよう、緻密に設計されているPHルーブルは、全体を球型にしたことで見た目の美しさも去ることながら、室内にはなめらかな光が放つ仕上がりとなっています。
PHルーブルの明かりを灯せば、室内は教会の安らぎを思わせるかのような柔らかな光に包まれます。

現在は、デンマーク・コペンハーゲンの国務省オフィスにもPHルーブルの照明が備えられており、オフィスとは思えない北欧らしいオシャレな空間が広がっています。

また、不思議な事にPHルーブルは、柔らかな光を放つことから白のシェードが和紙のように見えることから、北欧製品でありながらも和室にも違和感なく使うことができます。
日本人にとっても使いやすいデザインとなっていますので、モダンでありながら部屋のテイストを選びません。

独特でありながらも部屋の雰囲気を壊すことがないシンプルな美しさは、いつの時代でも飽きのこない最上級のデザイン美を持っているとも言えます。

ポールへニングセンがデザインを手掛けた照明器具は、実際に明かりを灯してみることで、画像では伝わりきれない光の美しさを感じることができます。

ポールへニングセンのPH5の変化

北欧・デンマークの照明ブランドとして人気が高い“ルイスポールセン”から販売しているPH5シリーズの照明器具は、1958年に販売が開始されて以降、世界中の人々に愛されています。

そして、時代とともに省エネ電球への普及が高まってきたため、1994年には改良型の「PH5+」が発売されました。
(※現在は、PH5の生産が終了したため、PH5+がPH5となっています)

PH5シリーズでは、白熱電球(100W)と電球型ハロゲンの2つが対応だったのですが、PH5+では、白熱電球(150W)、電球型ハロゲンに加えて、電球型蛍光灯、電球型LED(18W)の全4タイプの電球が対応可能となりました。

昨今、日本でも注目されているLEDの電球を取り付けることで、消費電力を抑えてランニングコストの節約に繋げることが可能となり、PH5は省エネにも配慮された照明器具に生まれ変わったのです。
また、ボトムシェードをアルミからガラスに変えたことで、照明下の明るさが大幅にアップし、初期タイプのPH5よりも現在のPH5は機能性が上がっています。

さらに、2013年から発売されたPH5コンテンポラリーでは、現代建築にマッチするよう上品なカラーが採用されています。

ビビッドなレッドカラーのシェードなど、ポールへニングセンが生み出したレトロなデザインの照明も可愛いのですが、PH5コンテンポラリーの新しいタイプでは、オシャレな部屋に違和感なく、自然に溶け込む照明器具として使うことができます。

ポールへニングセンのスノーボール

1874年に創業されたルイスポールセンから販売されている「PHスノーボール」のランプは、照明に特別なこだわりを持っていたポールへニングセンが手掛けたシリーズです。

8枚のシェードランプをリ・デザインして1958年に発表されたPHスノーボールは、1983年に既製品化されたため、一般的にも購入できるようになった照明ランプの名作の一つです。
スノーボールという名前の通り、PHスノーボールは雪の結晶のような独特のデザインが特徴的で、北欧デザインならではのモダンな美しさを持っています。

PHスノーボールは、良質な反射板を得るためにシェードの内側には、ツヤを抑えたマットな塗装を施し、眩しさ(グレア)を抑えています。
さらに、外側には光沢のある塗装を仕上げた事で、室内に光が届くように設計された照明器具ですから、PHスノーボールの明かりを灯せばお部屋全体が優しい光に包まれます。

ポールへニングセンが生み出した照明器具達は、単に明かりを灯す器具としてだけではなく、電気を消している時にもインテリアに映える優美なデザインを兼ね備えているため、毎日の生活を楽しく豊かにすることができます。

お値段は少々高めの価格帯となっていますが、一度手にすれば一生ものとして大切にしていく事ができる製品です。

半世紀以上に渡って人々を魅了してきたPHスノーボールは、ポールへニングセンが照明分野でパイオニアとして、これまで残してきた功績を集約させたような逸品です。

ヌータヤルヴィのカステヘルミシリーズ

ヌータヤルヴィで人気の高い「カステヘルミシリーズ」は、デザイナーのオイヴァ・トイッカが生み出したガラス製品の名作です。

“露のしずく”を意味するカステヘルミは、夏の朝に葉の上で真珠のように並んだ朝露からインスピレーションを受けて作られたもので、しずく状の粒がガラスの表面に美しく並んでいるのが特徴です。

丸みを帯びた粒のデザインが、光を受けることでキラキラと反射をして輝き出すカステヘルミは、ガラス工芸の美しさを最大限に活かした作品です。
アンティーク食器を代表とする製品の一つでもあり、多くの人々を魅了し続けています。

そして、人気が高いカステヘルミシリーズは、デザイナーのオイヴァ・トイッカがデザイナー生活50周年を迎えたことを記念して、ヌータヤルヴィからイッタラ社へと変わった後の2010年に復刻モデルが発売されました。

しかし、装飾の細やかさや輝きに微妙に違いがあるため、カステヘルミシリーズのファンの間では、年代が古いオリジナルのモデルに人気が集中しています。

また、1964年から製造されているカステヘルミは、製造された年代によってメーカー名が異なりますが、アラビア社時代に作られたカステヘルミのケーキスタンドは、ヴィンテージ品として希少価値が高いことから、レア商品としてオークションなどで高値が付けられています。

カラーによって爽やかな印象やエレガントな印象に変わるカステヘルミシリーズは、北欧食器が好きな方なら手に入れたい逸品です。

ヌータヤルヴィのデザイナーインケリトイッカ

カステヘルミやフローラルなど、ヌータヤルヴィのデザイナーとして活躍したオイヴァ・トイッカの奥さんである「インケリ・トイッカ」は、オイヴァと同じくヌータヤルヴィにて多くの作品を生み出しました。

1955年に、オイヴァと同じヘルシンキ大学にてアート&デザインを学んだインケリは、卒業後にヌータヤルヴィに移り住み、1957年にオイヴァと結婚をしました。

その後、ヌータヤルヴィにてオイヴァと共に、沢山のガラス工芸のデザインを手掛けるようになり、インケリ・トイッカはヴィアポリ(Viapori)を始めとする数々の美しいグラスを生み出しました。
また、ヌータヤルヴィで人気の高いオーナメント製品も彼女が多数手がけています。
クリスマスに欠かすことが出来ないオーナメントは、フィンランドガラスらしい作品です。

その他、「パストラリ(Pastoraali)」などグラデーションが美しい作品もインケリの作品です。インケリ・トイッカの作風は、女性デザイナーらしい可愛らしさとフェミニンさに満ちています。

そのため、猫好きの方にも必見の「キッサ(Kissa)」はインケリ・トイッカの作品の中でも人気が高いコレクションです。鮮やかなシマ模様の猫のオブジェは、とても可愛いらしいデザインとなっています。

鳥をモチーフにしたバードコレクションを多数手掛けたオイヴァ・トイッカの奥さんらしく、彼女が生み出した動物をモチーフとした芸術性の高いガラスのオブジェも、希少価値が高くコレクター達から支持されています。

ヌータヤルヴィのケーキドーム

ヌータヤルヴィでは、多くの人気デザイナーが作品作りに携わっていたことから、ヴィンテージ品への関心度が今尚強いのが特徴です。

その中でもヌータヤルヴィで製造された「ケーキドーム」は、アンティークらしい可愛らしさが漂う作品であることから、女性の間で人気が高いコレクションです。

ケーキ以外にもチーズを入れておくにも良いサイズで、サラ・ホペアがデザインを手がけました。
サラ・ホペアは、カイ・フランクと共に1950年代にフィンランドのガラス工芸に、大きな影響を与えた人物として知られています。

彼女が手掛けたケーキドームは、ガラス工芸が盛んだった1952年にデザインされたもので、アラビア社のキルタ(Kilta)のプレートに合わせて使用するために作られました。
ちなみにキルタは、カイ・フランクがデザインを手掛けています。

1954年にはミラノ・トリエンナーレにて銀賞を受賞するなど、多くの功績を残したサラ・ホペアが生み出したケーキドームは、可愛らしいフォルムのガラスケースに、プレートの木のぬくもりを合わせた絵本の中に出てくるかのような製品です。
今では入手困難な製品となりますので、日本国内ではお目にかかれる事が滅多にありません。

ガラス製造が盛んだったフィンランドのリーヒマキという町から北に進んだハメーンリンナにかけては、比較的ヴィンテージグラスに出会うことができる地区と言われていますので、保存状態の良いヌータヤルヴィのケーキドームが眠っている可能性もあります。

ヌータヤルヴィのファセッティシリーズ

ヌータヤルヴィの「ファセッティシリーズ」のコレクションは、フィンランドを代表するデザイナーであるカイ・フランクによって生み出されました。

1964年~1972年に製造されたファセッティシリーズは、プレス加工によって作られました。しかし、プレス加工には、ガラスに厚みが出てしまうという特性がありました。

そこで、グラスの上端を薄くすることにより、口当たりが良い飲み心地に優れた製品作りを目指し、カイ・フランクは試行錯誤の結果、ファセッティ独特のトップに丸みを持つデザインへと完成させました。

さらに、ファセッティには「スタッキング」と呼ばれる積み重ねて収納できる使い勝手の良さがあり、カイ・フランクならではの機能美の一つです。
シンプルでありながらも無駄のないファセッティシリーズは、現在でも優れたデザイン性と機能性が高く評価されています。

ファセッティシリーズで人気が高いカラーは、ヴィンテージらしさを感じるアンバー(ブラウン)や、近年は再び人気が上昇しているコバルトブルーです。
一時期は人気が衰退していたコバルトブルーのカラーですが、かつてはゴッホも愛したカラーとして再びガラス製品で注目されています。

また、カイ・フランクのファセッティシリーズは、丸底のデザインが有名ですが、同名にて1700年代には、1枚の平らな折り紙を折ったかたのような珍しい作品もヌータヤルヴィでは作られています。こちらは、年代も古いことから非常に手に入りくい製品です。

ヌータヤルヴィのバードコレクション

ヌータヤルヴィの「バードコレクション」は、ヌータヤルヴィに大きな貢献をもたらしたオイヴァ・トイッカによって生み出されたシリーズです。

バードコレクションは、ヌータヤルヴィの職人とオイヴァ・トイッカによって、1972年に「シエッポ(Sieppo)」として誕生した事が始まりです。

シエッポは、1972年~1978年にかけて作られていたシリーズで、ヴィンテージ品のコレクションの中でも人気が高い作品です。平らな尾や大きなくちばしなど、初期のバードコレクションは素朴で可愛らしいフォルムが特徴となっています。

1980年には、「バード・バイ・トイッカ(Birds by Toikka)」として正式にシリーズ化され、フクロウ、キジ、コマドリ、ペンギンなど、さまざまな鳥をモチーフにして作られました。
毎年新作が発表され、芸術性の高い作品から愛らしい表情の作品まで、多彩なデザインが登場しています。

これまでに数百種類ものバードコレクションを作り上げてきたオイヴァ・トイッカですが、コレクションを制作する時にはモチーフとなる鳥の原画やスケッチなどは無く、彼の豊かな想像力と熟練した吹きガラス職人によって、試行錯誤を繰り返しながら生み出しています。また、1羽を制作するには最大で5名もの職人が携わっている大変手間暇のかかった製品です。

本物の鳥に色や形に個性があるように、バードコレクションの作品は一点一点が手作業で作られていることから異なる表情を持っていますので、世界に一つしかないガラス工芸の世界を堪能することが出来ます。

ヌータヤルヴィのソネッティシリーズ

ヌータヤルヴィの「ソネッティシリーズ」は、1988年に発表された作品です。
現在は、廃番となってしまった製品のため、ソネッティシリーズはヌータヤルヴィの製品の中でも、入手困難な希少価値の高いシリーズとなります。

そのため、日本国内にて販売される機会はあるものの、入荷しても直ぐに完売となってしまうため、ソネッティシリーズは手に入れることが難しい製品です。

ソネッティシリーズは、ヌータヤルヴィのガラスデザイナーとして、20年以上に渡りガラス製品を作成した“ケルットゥ・ヌルミネン”が手掛けた製品です。

1943年にフィンランドにて誕生したケルットゥ・ヌルミネンは、機能的でユニークなデザインを手掛ける事でも知られており、イッタラの製品として有名な「ヴェルナ(Verna)」のデザイナーでもあります。
1996年には、カイフランク賞を受賞するなど、フィンランドのガラスデザイナーとして数々の実績を残しています。

ソネッティシリーズは、繊細なデザインが多いオイヴァ・トイッカが生み出したフローラやファウナのシリーズと比べると、シンプルでモダンな作風であることが特徴です。

ソネッティシリーズの代表的な作品の一つであるブラックベースの花瓶は、柔らかな曲線で無駄のないシンプルなデザインが、花を生けた時に邪魔することのない美しさを持っています。

マットな表面に見えるのですが、下部分はクリアになっているため光が入ることで、自然な輝きを放つところが魅力的です。

ポールへニングセンのPH5とPH50

デンマークのデザイナーであるポールへニングセンの「PH50」は、1958年に発売された「PH5」の50周年を記念に作られたモデルで2008年に登場しました。

質の高い光で、室内の空間を美しく照らすために設計されたポールへニングセンのランプは、3種類の大きさの異なったシェードによって、直接眩しい光が届かない「対数螺旋」を取り入れたPHシリーズを生み出しました。

カーブが狭すぎても広すぎても十分な光を得ることが出来ないため、レプリカ品ではポールへニングセンの製品は真似できないと言われています。

50周年モデルでは、ランプの本体サイズに違いはありませんが、シェード表面を光沢のあるグロッシーな塗装に変え、「レッド・ブルー・ブラック・グリーン・ホワイト」の全5色で展開され、とてもカラフルで明るいデザインに仕上がっています。

また、中間ディスクの色に赤と青を使用していたPH5に対して、PH50では赤色に統一されています。反射板を赤くすることで、白熱蛍光灯の青白い光を柔らかな光に変える工夫が盛り込まれました。

冷たい蛍光灯の明かりがリビングルームで煌々と光っていることは不自然であり、爽やかな昼の光から温かみのある夕暮れへと光が移ろいで行くことで、人間の体はゆっくりと順応していくと考えていたポールへニングセン。

照明器具の名作と言われるPH5の新たなモデルとなったPH50は、ポールへニングセンが目指した北欧の夕暮れを思わせる自然で良質な光を再現しています。

1 2 3 4