8月 2014 archive

北欧家具を生みだすPPモブラー工房

「PPモブラー」は、1953年に家具職人兄弟であったアイナー・ペダーセンとラース・ペダーセンによって設立された工房です。

設立から半世紀以上に渡り、今も昔も変わらないクラフトマンシップによって、手仕事がもたらす技術力と情熱が詰まっています。

そして、“熟練の名工集団”と称されるPPモブラーの工房は、デンマークを代表する名門工房であり、世界各地から入門を希望する職人が絶えません。

世界中から注目される工房となったPPモブラーが、世界的に知られる事となったのは北欧デザインの巨匠である“ハンス・J・ウェグナー”との共同作業で誕生した名作椅子の存在です。

「ザ・チェア」を始めとする20世紀のデザインに大きな影響を与えたウェグナーのデザインを形にしたのは、まぎれもなくPPモブラーの職人達です。

小さな工房でありながらも優れた技術を持つPPモブラーでは、材料である木を選ぶ際に、必ず森に足を運んで木の目利きを行います。

“その選ばれた木が100年生きてきたものなら、椅子になっても同じ年齢、それ以上に使うことが出来る家具に作りあげたい”という信念のもと、PPモブラーではデザイナーと木々に敬意を払いながら製作が行われ、数多くの高品質な家具を世に送り出しています。

北欧デザイン家具の巨匠ハンスJウェグナー

20世紀の北欧デザインに大きな影響を与えた人物である「ハンス・J・ウェグナー」は、デンマークの家具デザイナーとして活躍し、生涯で500種類以上の椅子をデザインしました。

コペンハーゲンの美術工芸学校で家具デザインを学んだウェグナーは、27歳の頃にアルネ・ヤコブセンの事務所で働くようになり、ヤコブセンが建築デザインを手掛けたオルフス市庁舎の家具デザインに携わりました。

そして、1943年にデザインを手掛けた「チャイニーズチェア」によって、ウェグナーは家具デザイナーとしての転機を迎えます。

中国の明時代の椅子からインスピレーションされ、何度も改良を繰り返して生み出されたチャイニーズチェアは、ハンス・J・ワグナーの代表的な作品の一つです。

1949年には、ケネディ大統領が使用していた椅子として有名になった「ザ・チェア」や、世界で最も売れた椅子である「Yチェア」など、ウェグナーは次々と名作と言われる家具を生み出しました。

「完成された椅子はありえない。本当にいい椅子は永遠に仕上がらないのだ」と語ったウェグナーは、2007年に亡くなるまで生涯に渡って椅子やテーブルをデザインしました。

現在、ウェグナーの椅子はニューヨークの近代美術館を始めとする多くの場所でコレクションされ、北欧デザインの歴史を語るうえでハンス・J・ウェグナーは、外すことが出来ない最も重要な人物です。

北欧家具メーカーのワンコレクション社

「ワンコレクション(Onecollection)」は、1990年にイヴァン・ハンセンとヘンリク・ソーレンセンが、家具メーカーとして“ハンセン&ソーレンセン”を設立した事が始まりです。

1998年に、デンマークを代表するデザイナーであるフィン・ユールの夫人に依頼され、名作椅子として知られている「NO.57」の制作を手掛けました。
フィン・ユールの作品は、高度な技術を必要とするため、量産することが難しい製品ですが、夫人の信頼を得たハンセン&ソーレンセンは、世界で唯一フィン・ユールの復刻モデルの生産が認められました。

その後、2007年にエリック・ボイセン社と提携したことを機に、フィン・ユールの復刻品に使用されていたブランド名であるワンコレクションに社名が変更されました。

「ペリカンチェア」、「NO.45チェア」など、フィン・ユールが生み出した名作椅子の他にも、サイドボードやテーブルなど、ほとんどの家具作品をワンコレクションが手掛けています。

また、製作技術の素晴らしさから、北欧家具の職人達に高い評価を得ている日本の「キタニ」がクラフトマンシップを引き継ぐ形で、フィン・ユールのライセンス製造に携わっています。
販売までに、約2年もの歳月を費やして試作と技術確認が繰り返され、オリジナル版の品質が保持されています。

デンマークで誕生したフィンユールの椅子

「フィン・ユール」は、デンマークの建築家であり家具デザイナーとして、デザインの黄金期と呼ばれたミッドセンチュリー期に活躍した人物です。

フィン・ユールの作品は、“家具の彫刻家”と呼ばれるほど、美しく完成度の高い作品を生み出し、アルネ・ヤコブセンやハンス・J・ヴェグナーと共に、北欧モダンデザインにおける重要なデザイナーの一人です。

1953年に発表されたイージーチェアの「NO.45」は、フィン・ユールの代表的な作品であり、出世作として最も高く評価された椅子です。

NO.45は、“世界一美しいアームを持つ椅子”と称され、滑らかな曲線を描いた肘掛けは芸術性が高く、世界各地の美術館に永久コレクションとして収蔵されています。

オリジナルモデルであるニールス・ヴォッター工房で作られたフィン・ユールの作品は、残念ながら製造が終了し、アンティークチェアとして高い人気を誇っています。
絶滅の危機となっているブラジリアン・ローズウッドや、良質なチーク材を使用していることから、100万円以上もの高額な値段が付いている製品も珍しくありません。

そして、フィン・ユールの作品は、現在はワンコレクションがライセンスを管理する体制で、驚くことに日本の家具メーカーである“株式会社キタニ”が復刻モデルを製造しています。

アルネヤコブセンのセブンスチェア

アルネ・ヤコブセンがデザインを手掛けた「セブンスチェア」は、1955年に誕生した作品です。
1952年に発表したアントチェアによって、インテリアデザインとしての高い評価を受けたアルネ・ヤコブセンは、後継ぎモデルとして3年後にセブンスチェアを発表しました。

高度な加工技術によって作られる積層合板の“軽さと強度”に優れたセブンスチェアは、永遠のスタンダードとして世界的に認められています。
モダンデザインが盛んだったミッドセンチュリー期の中でも、セブンスチェアは名作椅子と言われ、アルネ・ヤコブセンの代表的な作品でもあります。

北欧モダンデザインらしい美しいデザインに加え、セブンスチェアの滑らかな曲線を描いた独特のフォルムの座面と背面は、体のラインに沿ってフィットし、成型合板が生み出す“しなり”によって、大変座り心地の良い椅子に仕上がっています。

現在、セブンスチェアは多くの模倣製品が販売されていますので、そのデザインは日本でもよく見かける椅子の形のため、見覚えがあるという方も多いはずです。

しかし、セブンスチェアの模倣された椅子とオリジナル製品は、似ていて異なるものです。
フリッツ・ハンセン社から販売されているセブンスチェアは、一つ一つが丁寧に作られ、熟練の職人達によって組み立てられていますので、耐用性、座り心地に優れた機能的な椅子です。

アルネヤコブセンのアントチェア

アルネ・ヤコブセンが生み出した名作椅子の一つである「アントチェア」は、1952年に誕生しました。
アリのように見えるフォルムであることから、“アント”という名前が付けられ、“アリンコチェア”と言う名でも親しまれています。

もともとアントチェアは、デンマークの製薬グループであるノポルディスク社の社員食堂用の椅子としてデザインを手掛けたものでした。そのため、大量生産ではなくプロトタイプでのプロジェクトとして作られました。
しかし、アルネ・ヤコブセンが椅子の売れ行きが思わしくない場合には、自らが買取を保障するとし、生産することが決定しました。

アントチェアは、世界初となる座面と背面が1枚の積層合板作られた椅子で、高度な成形加工技術が必要でした。アルネ・ヤコブセンの画期的で斬新なデザインと、フリッツ・ハンセン社の優れた技術によって完成したアントチェアは、現在でもフリッツ・ハンセン社の中で高い人気を誇るロングセラー商品です。

しかし、3本脚+人間の2本脚で安定感をもたらす事をコンセプトとしていたアントチェアでしたが、1980年からは安全面を考慮して4本脚のデザインが主流となっていますので、3本脚のアントチェアは希少価値が高い製品です。

北欧家具メーカーのフリッツハンセン社

北欧家具メーカーである「フリッツ・ハンセン社」は、創業者であるフリッツ・ハンセンによって1872年に設立されました。

1920年代の初めに、スチーム加工による曲げ木技術を確立し、軽量で丈夫な家具制作を可能にしました。
フリッツ・ハンセン社では、「シンプル、機能性、革新性、時代の超越性」をデザインコンセプトとしており、1930年代からは先進的なデザイナーと共に家具製作を開始しました。

これまでに、アルネ・ヤコブセン、ポール・ケアホルム、ハンス・J・ウェグナー、ピート・ハイン等、優れたデザイナーと協力をし、名作と呼ばれる家具を生み出しています。

中でもアルネ・ヤコブセンがデザインを手掛けた「セブンスチェア」は、フリッツ・ハンセン社を代表するヒットアイテムとして、50年以上経った今でも人気が高いベストセラー商品です。

こうして、多くのデザイナー達の存在によって世界的に有名な家具メーカーとなったフリッツ・ハンセン社では、若く才能のあるデザイナーや、国際的に評価を得ているデザイナーの協力のもと、日々新たな作品が誕生しています。

100年以上の歴史を持つフリッツ・ハンセン社は、北欧モダンを代表する家具メーカーとして、アート的な美しさを持つ最高品質の家具を作り続けています。

アルネヤコブセンのエッグチェア

デンマークのデザイナーである“アルネ・ヤコブセン”が手掛けた「エッグチェア」は、1958年にコペンハーゲンにある、SASロイヤルホテルのためにデザインされた作品です。

エッグチェアの側面から見た時のシルエットが、まるで卵のように見えることから、“エッグ”と名付けられました。

独特のフォルムをしたエッグチェアですが、頭の高さまであるハイバッグの背もたれが、カラダ全体を包み込むように設計されています。
エッグチェアに座ってみると、自分だけの空間が生まれたような感覚になるため、とても落ち着きを感じる座り心地となっています。

もともとエッグチェアは、ホテルのロビーで使用することを目的に作られていますので、一つのテーブルを囲んで他人同士が隣に座ったとしても、一定の隔離が保たれるように作られました。

くつろぎの空間であることが求められるホテルで、アルネ・ヤコブセンは見た目にも美しくプライバシーにも配慮された、快適な時間を過ごすための工夫をエッグチェアのデザインに盛り込んだのです。

ちなみに、2008年に誕生50周年を迎えたエッグチェアは、世界999脚限定にて「リクライニング機能」を加えたアニバーサルモデルも発表されています。

デンマークの家具デザイナー アルネヤコブセン

北欧インテリアで人気のデザイナー「アルネ・ヤコブセン」は、デンマーク銀行やロイヤルホテルなどを手掛けたデンマークを代表する建築家のひとりです。

1940年に、デンマークがナチス・ドイツによって占領され、ユダヤ人であったアルネ・ヤコブセンは、当時親交のあった建築家であり照明デザイナーの“ポール・へニングセン”と共にスウェーデンに亡命し、スウェーデンでは建築ではなく、テキスタイルデザインを手掛けて過ごしていました。

第二次大戦が終了してから、デンマークに戻ったアルネ・ヤコブセンは、1950年代から家具デザインを本格的に始めました。

学生時代からパリ万博で銀賞を受賞するなど、早くからデザインの才能を発揮していたアルネ・ヤコブセンは、「アントチェア」、「エッグチェア」、「スワンチェア」など、数々の名作椅子と呼ばれる作品を生み出しました。

優雅な曲線美を描いた独特のフォルムや、新しい技術や素材を用いて誕生したアルネ・ヤコブセンの製品は、当時は非常に珍しい画期的なデザインでした。

彼のモダン様式は、現在の家具デザインの手本にもなっており、インテリアデザインにおいて、アルネ・ヤコブセンの功績は世界中で称えられています。

マークスロイドのペンダントライト

「マークスロイド」は、スウェーデンを代表する照明器具メーカーとして、1963年に誕生しました。

伝統的な北欧デザインをベースにしながらも、モダンで斬新なマークスロイドのインテリア照明は、北欧モダンが息づく製品としてヨーロッパを中心に高い評価を得ています。

マークスロイドの照明器具を代表する「ポートランド」のペンダントライトは、ブランドの人気商品です。

レトロな雰囲気が漂うポートランドは、その名の通り“灯台”をモチーフに作られており、コードではなくワイヤーで吊るすタイプである事が特徴です。

フランジカバーに付いているロックを解除することで、簡単にワイヤーの長さを伸ばすことができます。短くしたい場合には、フランジカバー内にワイヤーを押し込むだけで良いので、お好みの位置で取り付けることが可能です。

ワンポイントのカバーには、ガラスが使われていますので、ミッドセンチュリー期を思わせますがLEDライトを使用することが出来るので、現代の生活に合わせたエコロジーな照明器具でもあります。

また、マークスロイド製品は、インテリア照明としてはリーズナブルな価格帯のため、ポートランドに関しては1万8000円(税抜き)という、手が届きやすいお値段です。

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