ポールへニングセンの情熱

ポールへニングセンは、世界中の人々が憧れる高品質な照明器具を次々と誕生させたデザイナーです。
ポールへニングセンがデザインした照明器具は、北欧・デンマークの照明ブランドとして50年以上に渡り愛され続けています。

ポールへニングセンは、照明器具に対して非常に強い情熱を持つ人物でした。
1967年にこの世を去るまで、ポールへニングセンは照明デザインの改良を続けていたほどで、その情熱と努力によって生み出された作品から、近代照明のルーツはポールへニングセンにあると言われています。

光と影による美しい陰影と、眩しさを感じないグレアフリーなポールへニングセンのランプは、北欧の食卓を優しく包み込むようなぬくもりに満ちています。

ポールへニングセンが亡くなった現在においても、照明器具の開発に協力をしていたルイスポールセン社は、彼が作りだした照明器具の製造・販売を続けています。

ポールへニングセンのオリジナルの製品は、PH5で8万円以上と高価な製品です。
リプロダクトとして販売されている製品においては、半額以下の手頃な価格ではあるものの、構造、ディティール、塗装、全てにおいてのレベルが違います。

特に、光の質には大きな違いがあり、精密なデザインと高度な加工によって生み出されたポールへニングセンの照明器具は、人々の暮らしに穏やかな時間と安らぎを与える“至福の光”でもあります。
ポールへニングセンが残した本物の光を体験してみて下さい。

照明器具デザイナーのポールへニングセン

ポールへニングセンは、照明、建築、デザイン、レビュー作家、社会評論家など、ジャンルに問わず様々な活動をしていたことから、1930年代にはデンマークの急進的文化人としての地位を確立しました。

ポールへニングセンの数々の活動の中でも照明デザイナーとしての活躍は、デンマークのデザイン文化に大きな影響を与えます。
建築家として活動していたポールへニングセンでしたが、1925年に開かれたパリ工芸博覧会に参加し、照明デザインのコンペで入賞を果たします。

そして、デンマークのルイスポールセン社と出会い、照明器具の名作とされる「PH5」など、次々とクリエイティブな作品を誕生させていきます。
ちなみにPHとは、ポールへニングセンの名前の頭文字であり、シェードの直径が50センチであったことからPH5という名前が付けられました。

照明器具のデザイナーとして歩み始めたポールへニングセンは、生涯において200種類以上の製品を世に送り出しました。しかし、ポールへニングセンが目指したのは、デザインのバリエーションではなく””良質な光の追求“でした。

人工照明でありながら、自然光のような優しい光を生み出すポールへニングセンの照明器具は、時代を超えて愛される製品であり、現在でも多くのファンを持っています。

ルイスポールセン社の発展に大きく貢献したポールへニングセンは、照明文化において後世に影響を与えた偉大な人物として位置付けられています。

ヌータヤルヴィのアピラシリーズ

ヌータヤルヴィの「アピラシリーズ」は、ヌータヤルヴィの製品で多くの名作を残したオイヴァ・トイッカがデザインを手掛けています。

一目でわかる愛らしい3つ葉のクローバーがあしらわれたコレクションであるアピラシリーズは、オイヴァ・トイッカがデザインを手掛けた人気のフローラルや、ファウナシリーズと比べるとシンプルな模様が特徴です。

例えば、アピラシリーズで人気のカップ&プレートのセットは、フリルのようなフチデザインが可憐さを演出しており、レトロで素朴なデザインが女性を中心に人気を集めています。

それから、1893年~1977年から製造されたアピラシリーズは、ガラス製品でありながら、一つ一つに製造された年代の刻印が押されています。
製品が誕生した時代がわかる刻印のマークは、ヴィンテージ食器のコレクター心をくすぐるポイントでもあります。

また、アピラシリーズは涼しげな風合いではあるのの、耐熱性に優れた製品となっていますので、温かい温度にも耐えることができる耐久性の高さも嬉しいポイントです。

年代が古いため、傷や欠け部分がある製品が販売されていますが、ケーキスタンドやシュガーポットなど、アンティーク製品ならではの懐かしさと繊細なデザインがヴィンテージ好きには堪らない風合いとなっています。

アピラシリーズは、日本では流通が少ないシリーズとなりますので、お気に入りを見つけた際には早めに購入することをおすすめします。

ヌータヤルヴィのピオニシリーズ

ヌータヤルヴィの作品の中で、沢山の人気コレクションを発表したデザイナーのオイヴァ・トイッカですが、彼が生み出した代表作の一つである「ピオニシリーズ」は、ヴィンテージ食器として現在でも大人気です。

1976年に製造されたピオニシリーズは、“シャクヤク”という意味を持っています。
ボタン科に属するシャクヤクの花は「花の相」とも呼ばれており、シャクヤクをモチーフとしたピオニシリーズは、大輪の花を大胆にデザインに取り入れているところが特徴となっています。

ボウルやプレートなど、平面的な製品に描かれたシャクヤクの花も素敵ですが、タンブラーでは立体的なデザインとして描かれているため、まるで横からシャクヤクの花を覗き込んでいるかのような美しさがあります。

また、ピオニシリーズでは、「つぼみ・咲き始め・満開」の3パターンのデザインがありますので、同じシャクヤクの花でも色々な表情を楽しむことができます。

涼しげなガラスに浮かび上がるシャクヤクの花は、初夏に咲き始めるシャクヤクの花が思い浮かびます。見ているだけでも清涼感に包まれ、情緒のある季節感もピオニシリーズの魅力の一つです。

それから、均一に整えられた円状ではなく、ヌータヤルヴィでは手作業で作られていることから歪みを帯びたプレートデザインとなっています。

無機質ではなく温かみを感じる仕上がりが、ピオニの花とマッチし、フィンランドガラスらしい自然な風合いの作品が並びます。

ポールへニングセンのアーティチョーク

デンマークのデザイン文化に貢献した“ポールへニングセン”が作り上げた名作の一つでもある「PHアーティチョーク」は、非常に芸術性の高い照明器具であり、とても高級な値段が付けられている照明器具です。

PHアーティチョークは、地中海沿岸に毎年花を咲かせる多年草のアーティチョーク(チョウセンアザミ)がモチーフとなっており、72枚の羽根と100種類以上のパーツで構成されています。
一つを制作するために、25人もの熟練した職人が携わっているため、大変手の込んだ照明器具でもあります。

羽根の内面には、ツヤを抑えた塗装が施されており、良質な光が反射される工夫が盛り込まれています。「銅のヘアライン、白色塗装のスティール、ステンレスヘアライン」の3タイプが製造され、絶妙なカーブを持った羽根をガラスで作り上げる技術は、高度なクラフトマンシップが要求され、決して簡単な事ではありません。

複数の羽根の厚さは3ミリに揃えられ、光と影が美しく映し出される優しい明かりは、間接光を上手く取り入れるための精密な加工技術が必要な製品です。

また、1940年に廃番となってしまった「PHアーティチョーク・ガラス」は、1927年~31年に生産されたもので、当時は「PHセプティマ」と名付けられていました。
PHアーティチョークの50周年を記念した際には、PHアーティチョーク・ガラスを特別注文にて個別生産されたことから、ポールへニングセンの中でも最高級の製品となっています。

ポールへニングセンのPH5

ポールへニングセンは、北欧を代表する照明器具ブランドです。
デザイナーズ照明として、人気が高いポールへニングセンの作品は、1958年にコペンハーゲンで開催されたデンマーク工芸博覧会の『ガラス、光とカラー展』にて、ブランドの代表となる「PH5」を発表しました。

“対数螺旋”と呼ばれる独特のカーブを採用したPH5は、白熱電灯の不快な眩しさを押さるために、反射板を巧みに組み合わせて、温かみのある優しい光を生み出すように設計されています。大きさの異なる3枚のシェードが、直接光が目に入らないように工夫されているのです。

また、メインシェードの内部は赤く、メインシェード下のディスクには青色の塗装が施してあります。
彩色した事によって、温かみと同時に爽やかさを醸し出す光を生むことができ、PH5は58年に発売されて以降、高品質な照明器具として世界中で愛されている名作です。

ポールへニングセンの製品は、見た目の華やかな美しさからデザインを優先させた作品のようにも思えるのですが、あくまで良質な光を生むための“機能的で美しいデザイン”とされています。
そのため、ポールへニングセンの照明器具は、安らぎを覚える光によって落ち着きのある空間を作り上げることができます。

20世紀を代表とする照明デザイナーの一人と称賛されているポールへニングセンのPH5は、発売から50年以上経過した現在でも、当時と変わることなく世界中で使用されています。

ハンスJウェグナーのYチェア

1950年に誕生した「Yチェア」は、ハンス・J・ウェグナーがデザインを手掛けました。

生涯に渡ってデザイナーとして活躍したウェグナーが、500種類以上もの椅子を作り上げた中で、Yチェアは最も多く生産された製品です。

Yチェアとは、その名の通り背もたれの部分が“Yの字”のようになっている事からYチェアと名付けられました。フレームの柔らかな曲線が特徴的で、中国の僧侶が用いる曲ろくという椅子をモチーフに作られました。

緩やかに描いた背もたれのカーブによって、ゆったりとくつろぐ事が出来る座り心地に仕上がっています。

座面には、熟練の職人が一点一点手作業で編み込んだペーパーコードが使用されており、手慣れた職人でも編みあげるのに1時間要します。敢えてきつく編み込まずに緩やかに仕上げたペーパーコードの座面は、程良い弾力と柔らかさが出るため、長時間座ってもお尻が痛くならずに快適に過ごせます。

また、ペーパーコードは張り替えることが可能なので、Yチェアは一生物の椅子として愛用することが出来ます。

ウェグナーが生み出したYチェアは、木のぬくもりを感じることが出来る唯一無二の存在として、日々の生活の中で安らぎの時間を与えてくれる名作椅子です。

ハンスJウェグナーのザ.チェア

1949年にハンス・J・ウェグナーによって誕生した「ザ・チェア」は、1950年にコペンハーゲンで行われた展示会にて発表されました。

現在では、最高傑作として称えられているウェグナーの椅子ですが、当時としては非常にシンプルなデザインであった事から「みにくいアヒルの子」と酷評されていました。

ところが、一人のアメリカ人がウェグナーの椅子に注目し、1960年にはアメリカの大統領であったジョン・F・ケネディが、ザ・チェアに座っている姿がテレビで放送されたことを機に、世界中にザ・チェアが知れ渡ることになりました。

どの角度から見ても美しいザ・チェアですが、その素晴らしさは背面から側面のアームの滑らかな曲線にあり、“フィンガージョイント”と呼ばれる繋ぎ目です。

木材の端部分を、指と指を組み合わせたようにジグザグに加工して接合するフィンガージョイントは、他に類を見ない美しさと称され、まるで模様を描いたかのように、滑らかで美しい木目が生きた仕上がりとなっています。

現在、ウェグナーのザ・チェアは名門PPモブラー工房より、座面が籐(ラタン)で編まれた涼しげなPP501と、高級感のあるレザーを使用したPP503が販売されています。

北欧家具を生みだすPPモブラー工房

「PPモブラー」は、1953年に家具職人兄弟であったアイナー・ペダーセンとラース・ペダーセンによって設立された工房です。

設立から半世紀以上に渡り、今も昔も変わらないクラフトマンシップによって、手仕事がもたらす技術力と情熱が詰まっています。

そして、“熟練の名工集団”と称されるPPモブラーの工房は、デンマークを代表する名門工房であり、世界各地から入門を希望する職人が絶えません。

世界中から注目される工房となったPPモブラーが、世界的に知られる事となったのは北欧デザインの巨匠である“ハンス・J・ウェグナー”との共同作業で誕生した名作椅子の存在です。

「ザ・チェア」を始めとする20世紀のデザインに大きな影響を与えたウェグナーのデザインを形にしたのは、まぎれもなくPPモブラーの職人達です。

小さな工房でありながらも優れた技術を持つPPモブラーでは、材料である木を選ぶ際に、必ず森に足を運んで木の目利きを行います。

“その選ばれた木が100年生きてきたものなら、椅子になっても同じ年齢、それ以上に使うことが出来る家具に作りあげたい”という信念のもと、PPモブラーではデザイナーと木々に敬意を払いながら製作が行われ、数多くの高品質な家具を世に送り出しています。

北欧デザイン家具の巨匠ハンスJウェグナー

20世紀の北欧デザインに大きな影響を与えた人物である「ハンス・J・ウェグナー」は、デンマークの家具デザイナーとして活躍し、生涯で500種類以上の椅子をデザインしました。

コペンハーゲンの美術工芸学校で家具デザインを学んだウェグナーは、27歳の頃にアルネ・ヤコブセンの事務所で働くようになり、ヤコブセンが建築デザインを手掛けたオルフス市庁舎の家具デザインに携わりました。

そして、1943年にデザインを手掛けた「チャイニーズチェア」によって、ウェグナーは家具デザイナーとしての転機を迎えます。

中国の明時代の椅子からインスピレーションされ、何度も改良を繰り返して生み出されたチャイニーズチェアは、ハンス・J・ワグナーの代表的な作品の一つです。

1949年には、ケネディ大統領が使用していた椅子として有名になった「ザ・チェア」や、世界で最も売れた椅子である「Yチェア」など、ウェグナーは次々と名作と言われる家具を生み出しました。

「完成された椅子はありえない。本当にいい椅子は永遠に仕上がらないのだ」と語ったウェグナーは、2007年に亡くなるまで生涯に渡って椅子やテーブルをデザインしました。

現在、ウェグナーの椅子はニューヨークの近代美術館を始めとする多くの場所でコレクションされ、北欧デザインの歴史を語るうえでハンス・J・ウェグナーは、外すことが出来ない最も重要な人物です。

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